<画像提供>Ylanite Koppens
この記事は「派遣の働き方に興味がある」「派遣社員と直雇用の社員はどんな違いがあるの?」といった疑問をお持ちの「派遣未経験」の方に向けて、経験者ならではの視点で書いていきます。
今後の働き方を迷っている人から「派遣社員のメリットを教えて」と尋ねられました。
本音を言うと、派遣で働くか、社員で働くかを迷ってる人には迷わず社員を勧めます。
派遣で働く=不安定。
自分が経験してきたからこそ、他人にあまり勧めようとは思わないのです。
とはいえ、メリットも少なからずあるから長年派遣で働いてきたというのも事実なので、
私が考える、派遣社員で働くメリットとデメリットを挙げてみます。
派遣社員で働くメリット 11
1. 週5以外にも週3、週4の仕事がある
週5のフルタイムの求人に比べると数は減りますが、週3、週4の求人もあります。
「他に仕事を持っている」「趣味に時間を費やしたい」「家族の介護をしている」という方にとっては、自分のペースで柔軟に働ける派遣のお仕事は好都合です。
2. 選考から採用までが早い
求人に応募したら、派遣会社内の社内選考→派遣先の書類選考→職場見学と動き出すとアッという間に進みます。採用結果も早いところだと職場見学当日に結果が出ます。
3. 派遣会社の研修が無料で受けられる
マナー講座やパソコン講座など、派遣会社主催の研修に参加できます。
なかには無料の講座もあり、パソコンスキルを磨きたい方にはうってつけです。私もExcelの講座を何度か受けたことがあります。
4. 派遣会社の福利厚生が利用できる
福利厚生の内容は派遣会社によって差がありますが、派遣会社の福利厚生が利用できます。
飲食店やレジャー施設の割引、習い事の入会金が無料など、お得なサービスが盛り沢山です。
5. 派遣会社の社会保険に加入できる
社会保険に加入ができるので、健康保険・厚生年金が毎月の給与から天引きされます。
健康診断を受けることもできます。
ただし、住民税は普通徴収(給与天引きではない)なのでお気をつけください。
6. 部署異動がない
派遣社員は派遣先の「部署」との契約になるので、直雇用で働く人達と違い部署移動がありません。
畑違いの部署(例:事務職希望なのに営業部へ配属される)、見知らぬ土地への転勤がないので、自分の専門分野を生かすことができます。
ただし、会社の都合で派遣先の部署がなくなることは大いにあり得ます。
7. 業務において、最終的な責任を取ることはない
派遣社員が任されている、担当している業務は責任を持って遂行するのはもちろんですが、業務の最終的な判断や責任はあくまで直雇用の社員なので、プレッシャーは社員よりは少ないかもしれません。とはいえ、ミスが続いたり大きな失敗をすれば、契約更新に影響が出てきます。
8. 3ヶ月ごとに進退を考えられる
3ヶ月ごとに契約更新できるか不安を抱える反面「今後どうするか」を考えるキッカケになります。
また、契約期間中に仕事を辞めたくなったとしても「あと1ヶ月頑張れば…」という風に、3ヶ月の区切りが都合良い時もあります。
9. 業務上困ったことなど、改善希望があれば派遣会社が代弁してくれる
勤務中に困ったことや改善してほしいことがあっても、派遣先の人には直接言いにくいことが多々あります。そんな時は派遣会社の担当営業に話せば、派遣会社経由で派遣先に伝えてくれます。
10. 退職希望の場合は派遣会社が代弁してくれる
派遣社員の契約に関しては派遣会社を通します。
退職希望の場合も派遣会社の担当営業に話すことになるので本音を言いやすいですし、その場でギクシャクすることもありません。
逆に、派遣先が更新しない意思表示も派遣会社経由で伝えられます。
11. 客観的に物事を見ることができる
派遣先には直雇用の社員やパート・アルバイト・業務委託・他社から来ている派遣など、会社によってさまざまな雇用形態の人達と一緒に働くことになりますが、派遣社員は派遣先に属するわけではないので、会社の風潮に染まることもなく、客観的に物事を見ることができます。1歩引いたところから周りを見渡せるので冷静に判断することができるようになります。
派遣社員で働くデメリット 8
1. 月の収入が安定しない
時給制で回避できないのが収入の不安定さです。
土日祝休みの仕事の場合、月20日以上、出勤日数がある時とGWや年末年始の大型連休が入る時とでは月収が大幅に変わります。2月も日数が少ないうえ祝日があるので月収が下がります。
2. ボーナスと退職金は「ない」に等しい
2020年4月から施行の「同一労働同一賃金」の派遣法改正で、賞与(ボーナス)や退職金が派遣社員にも支払われることになりました。
しかし、派遣会社の求人情報を見ると「賞与、退職金は、時給に含めて前払いします」と記載しているところが殆どです。時給に含めてくれるのはいいのですが、その分、昨年度より派遣の時給が全体的に底上げされたかというと、とてもそのようには思えません。高時給の案件はおそらく昨年度も高時給だったでしょうし、低時給の案件も求人情報に掲載されています。
3. 昇給は自分から申し出をしないと実現しない
お金の話は1番触れにくい話題ですよね。
派遣社員には自動で昇給する制度はないので、時給アップを目指すなら、自ら切り出さなければなりません。
時給交渉はmustではありませんが、もし「今の自分の業務と時給が割に合わないなぁ」と感じているなら、派遣会社の営業に相談して派遣先に交渉してもらうことになります。
4. 契約内容と違う業務を指示される
実際に働きだすと、職場見学の際に派遣先から聞いていた話や契約書に記載の内容と違った業務を振られることがあります。
きっと指示する側はそこまで派遣社員の契約を細かく考えていないのでしょうけど、その業務をどこまで引き受けるは派遣社員次第で、断ることで派遣先との関係が決まずくなったり、引き受けたはいいけど心の中では腑に落ちなかったりして、それがチリツモとなって「割に合わない、退職しよう」と決意するのだと思います。
そうなる前に、上記のメリット「9」で書いたとおり、派遣会社の担当営業に相談できるのが理想です。
5. 3年ごとに転職しなければならない
現在の法律では、同派遣先での勤務は3年までです。「勤めている派遣先の居心地が良い」「業務が自分に合っていて楽しい」という場合は、この「3年の壁」はとても重いです。せっかく業務を覚えて慣れてきたところで振り出しに戻らなければいけないのは酷です。
「1から人間関係を築く」「1から業務を覚える」この「1から何かを始める」というのは、かなり労力がいることです。
6. 3年後の仕事は保証されていない
3年勤務して派遣法により退職したはいいけど、次の派遣先が用意されているわけではありません。前の担当営業が探してきてくれるわけでもなく、また自分で求人情報と睨めっこする日々が始まります。
自分の3年後というのは確実に3歳年齢を重ねています。時勢によっても変わってはきますが、3年後に派遣社員が有利になる可能性は高くはないでしょう。
7. 派遣先にどれだけ貢献しても、突然スパッと切られることがある
「会社が不景気になった」「予定外の出来事で人材が余っている」そんな時にまずターゲットになるのは派遣社員です。
これまでどれだけ派遣先で一生懸命働いてきても、成果を残したとしても、会社の事情が変わればその頑張りはリセットされます。会社がまず守るべき人材は「直雇用で働く人達」です。仮に、自分より仕事ができない、休みがちな社員がいたとしても、最終的に残れるのは「直雇用で働く人達」なのです。
8.直雇用として働く意欲が失われる
これは個人差がありますが「派遣社員」として働くことに慣れすぎた私は、正社員の安定さに憧れつつも、派遣社員から抜け出すことができません。
派遣という働き方を上手く活用していかないといけませんね。
まとめ
以上、メリット11個とデメリット8個を挙げてみました。
ここまで書いてきて驚いたのが、デメリットよりもメリットが多い点です。
明らかにデメリットの方が上回ると思っていました。
たくさん書き連ねましたが、メリット・デメリットは紙一重です。私がメリットに感じることも、他の派遣社員はデメリットとして挙げるかもしれません。
「派遣の働き方に興味がある」方の少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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